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摂食障害から摂食症へー新しい呼び名が意味することとは?

摂食症とは?DSM-5-TRでの新しい定義とその意味

摂食障害から「摂食症」へ日本語訳が変更
摂食障害から「摂食症」へ日本語訳が変更

言葉が変わると、見える世界も変わる


みなさんは、摂食障害の「障害」という言葉に

違和感を感じたことはありませんか?


DSM-5-TRでは「摂食症」という

新しい表現が採用されました。


本記事ではその背景と意味、

そして私たちの支援のあり方について考えます。



なぜ「障害」から「症」へ?


あるお母さまの相談を受けていたとき

この言葉がでてきてショックを受けたことがあります。


「(食べて吐くことは)障害だからしょうがない

そう思って受け入れようと思っているけど…」


自分の娘を障害があると受け入れるのは

母親としては本当につらいことだと思います。


その時、言葉の力のおそろしさを実感しました。


診断名一つでその人の一生を左右するような…


私自身も過食嘔吐を15年していたので

「障害」があった人なのです。


そして、この度やっと診断名の日本語訳が改訂されました。


DSM-5-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition, Text Revision)の日本語訳において、


「摂食障害」という表現が「摂食症」へと変更された背景には、

患者中心の医療言葉の持つニュアンスへの配慮があるようです。


日本精神神経学会のガイドラインに基づき、

DSM-5-TRの翻訳では以下のような方針が採用


  • 「障害(disorder)」という言葉が持つ否定的・固定的な印象を避けるため、

    「症」というより中立的で柔らかい表現に変更。


  • 患者の理解と納得を得やすい表現を目指し、

    病名をよりわかりやすく、受け入れやすいものに。


診断名が差別的に使われることもあり

患者さん自身が診断されることに抵抗感があったのかもしれませんね。



「摂食症」とは?摂食障害との違いは?


DSM-5-TRでは、「摂食症(Eating Disorders)」は

食行動や体重・体型への過度なこだわりを中心とした精神疾患

として分類されます。


主な疾患は以下の通りです:

疾患名(新訳)

旧訳

特徴

神経性やせ症

神経性食欲不振症

極端な食事制限と体重減少。肥満への強い恐怖と自己認識の歪み。

神経性過食症

神経性大食症

過食と排出行動(嘔吐・下剤など)を繰り返す。

むちゃ食い症

過食性障害

排出行動を伴わない過食。自己嫌悪や抑うつを伴う。

⚠️ 主な症状


神経性やせ症(Anorexia Nervosa)

  • BMIが著しく低い(成人で18.5未満)

  • 体重増加への強い恐怖

  • 自分の体型・体重に対する認識の歪み

  • 無月経、低血糖、徐脈などの身体症状


神経性過食症(Bulimia Nervosa)

  • 抑制できない過食の繰り返し

  • 嘔吐・下剤・過度な運動などの代償行動

  • 自己評価が体型・体重に過度に依存


むちゃ食い症(Binge Eating Disorder)

  • 短時間で大量に食べる

  • 恥ずかしさから1人で食べる傾向

  • 食後の自己嫌悪・抑うつ・罪悪感



「摂食障害」から「摂食症」への言葉の違い

表現

ニュアンス

影響

摂食障害

「障害」という言葉が持つ否定的・固定的な印象

当事者が「自分は壊れている」と感じるリスク

摂食症

「症状」として捉えることで回復可能性を強調

より中立的で共感的な支援が可能に

✅障害というと一生付き合っていかなければいけないという印象

→摂食症は症状だから治るという希望が持てる


✅「障害がある」と社会的に差別につながるのでは?という懸念

→病気の症状なので他の病気と同じく差別されることはない


そもそも摂食障害という診断名が使われ始めたのは

1994年のDSM-4からで今から30年前になります。


拒食症(Anorexia)と過食症(Bulimia)はそれ以前から別の名前で存在しましたが

それらをまとめて摂食障害と呼ばれるようになったのです。


日本の摂食障害治療は30年遅れている、

と言われている理由がここにあります。



摂食症(旧摂食障害)治療の未来は明るい?


摂食症(旧摂食障害)はあまり知られていなかった

30年前に比べて認知度があがりました。


私の症状が出始めたのは1997年のこと。


拒食症は知られていましたが

たくさん食べて吐くのは病気とは思われないことが多く


病院に行くと、中流家庭のお嬢さまの「甘え」だとか

「ぜいたく病」と言われました。


医師や看護師、医療関係者でも過食嘔吐は

知らないという人がほとんどでした。


現在は、一般の方は知らないと言う人もいますが

医療関係者、心理職関連の方で知らない方は

いらっしゃらないと思います。


そのため、摂食症(旧摂食障害)の治療法も

研究が進んでいるようです。


私の知り合いが働く精神病院では

脳に電流を流す治療(磁気刺激治療rTMS)が行われているそうです。


テクノロジーの進化とともにAIを活用した診断ツールや

オンラインセラピー・アプリがでてきたりしています。


「相談したくてもどこに相談したらいいのか分からない」

そんな時代は終わり、


オンラインでいつでもどこからでも

相談ができるようになりました。


摂食症(旧摂食障害)は

なかなか治らないとされてきましたが


自分に合った治療を早期に受けることで

短期間で治すことができます


摂食症(旧摂食障害)サポートネットでは

克服サポートプログラムを提供しており


過食嘔吐の方を中心に効果をあげており

大抵のかたは半年から1年で症状が消えています。


また、26年間あった過食嘔吐が

たった6ヶ月で消えた方もいます。


摂食症(旧摂食障害)は

「病気として扱って治す」のではなく


病気になるまでに至った経緯から原因をみつけ

人生の軌道修正をすることが重要です。


治す(Cure)ではなくて、回復(リカバリー)

自分らしい人生を取り戻すことがゴールになります。


私自身が摂食症(旧摂食障害)は

治らないと思っていましたが


こうして過食嘔吐から自由になって

客観的に見てみると


何を信じるかで大きく変わると思います。


私は、自分の人生を信じました。


「私の人生はそんな悪いものではないはず…だからきっと良くなる」


未来への希望を捨てず、

人生を変えようと動いたとき

必ず何かが変わりますよ😊






 
 
 

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一般社団法人マザーアース

​心理部門 代表カウンセラー

 今村心音

摂食症当事者サポート本部

(オンライン

Alchemy Healing

Holistic Therapies

​Australia

摂食症専門セラピスト

リンチユキ

yukialchemyhealing@gmail.com

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